さあ、魚をとってみよう

アミなどを使って魚をとるのがポンツク(魚釣り)だ。ポンツクのだいご味は、なんといっても魚との知恵比べ。上達法は、魚の気持ちを知ることさ。
つまり、ポンツクをすることは、魚を含めた自然を知ることになるんだな。




アミで魚をとろう

アミはなくても魚はとれる。これは本当。
たとえば、手を石や草の中へつっこんでやる手づかみ
他にも、ザルタオルでも魚はちゃんとつかまえられる。

指先に集中、手づかみ ザルでとったヨシノボリ タオルでとったカワムツ

だけど、もっと簡単に、たくさんつかまえたいのなら、
ぜひ、アミを一本 用意してみよう。

■アミを選ぶ
(長)1200円くらい  (短)1000円くらい
釣り道具屋さんに売っているよ。
アミの形は、川底にピタッとくっつくから,丸よりもかまぼこ型の方が、断然いいよ。長く伸びることより、フレームがしっかりした、じょうぶなものを選ぼう。

■他にもこんなアミがある
サデアミ(三日月アミ) ヨツデアミ
投網(とあみ) さしあみ(チンカラ)
つかまえる魚の種類や大きさ、川底の形や
川の流れなどによって、さまざまなアミの形は
考えられてきたんだよ。
エビタモと箱メガネ

■こんなところに魚はいるぞ
写真予定 あやしい草の中
アミでつかまえるのは、泳いでいる魚ではなく、
かくれている魚だ。草の中、木の根っこなどが
一番のポイント。絶対に見のがすな!
写真予定 くらい石の下
暗い場所が好きなウナギやギギ、また石の下が
好きなヨシノボリ、テナガエビ、モクズガニ
などは、石をひっくり返してつかまえよう。
写真予定 アキカンや古タイヤの中
流れてきたゴミも、魚にとっては都合のいい
かくれ家だったりすることがある。想像力を
はたらかせて(魚の気持ちになって)魚を探そう。

アミの使い方
とれるもの
メダカ、オイカワ、フナ、モロコ、カエルからアキカンまで、アミに入るものなら何でもとれる。

アミで魚をおいかけても、魚は鳥のように逃げてしまう。
コツはね、アミに魚をおいこむことだよ。

  魚とりは下流から上流に向かって歩くのが
基本だ。人が歩くと川はにごって何も見えなく
なってしまうからね。
 魚のかくれていそうなあやしい場所
見つけたら、まず、ゆっくりとしずかに近づこう。
 アミは必ず下流におき、開いているか
確かめよう。開いてなければ魚は入らないよ。
 コツはアミを川底と川岸(障害物の奥)に、
すき間なく当てること。ここにすき間があると、
魚はすりぬけて逃げてしまうんだ。
 上流からアミに向かって、おいこみ開始。
ガサガサと草をふんだり、砂をふんだりして、
魚をアミにおいこむんだ。大げさにふむと、
魚をふみつぶしてしまうことがあるから、
ていねいにふむことを心がけよう。
 アミに魚をおいこんだら、すばやく上げること
泳ぎのじょうずなオイカワやカワムツは、アミに
気がつくとUターンしてしまうんだ。もたもたして、
魚に逃げられないようにアミを上げよう。
 ほら、ごらんの通り。アミの中は宝石のような
魚でいっぱい。つかまえられないことも多いけど、
あとは、何度もやって経験をつむことだね。
 さあ、キミも魚とりの名人になろう!

サデアミとヨツデアミ
とれるもの
メダカ、オイカワ、フナ、モロコなど、アミに入れば何でもとれる。入り口が大きい分、たくさんとれるね。

サデアミ (三日月アミ)
杉の枝や竹を弓なりにして作った大きなアミ。大きいぶんだけたくさんとれる。
四つ手網 (ヨツデアミ)
弓を交差させて四角にはったアミ。口が大きく、自立するのが最大の特ちょう。

サデアミもヨツデアミも、アミの口が大きい分だけたくさん魚が
取れる。しかし、大きいだけに重いし、取り扱いは大変。
だから、大きな子や大人の道具だね。

まず、ふつうのアミで、何度も魚とりをして、
川や魚を知ってから、このアミを使ってみよう。

   サデアミの使い方は、ふつうのアミと変わらない。
 魚のかくれている草が深いときや、石の下の魚をつかまえるとき、また大きな魚を捕まえるときに、威力を発揮する。
  写真予定  ヨツデアミは自立するので、下流に置き遠くからおいこむことができる。コンクリートの水路では、逃げ場をすべて封じるので、その威力は大きい。




川底をのぞいて魚をとろう

エビアミと箱メガネ
とれるもの
テナガエビ、ヨシノボリ、チチブ、カマツカなど

エビアミは、テナガエビをつかまえるためのアミで、
径が12〜15センチと小さく、アミの糸が細いのが特ちょう。
エビを見つけたら、アミを近づけ一匹一匹かぶせ取る。
この方法で、魚もとってしまおう。
岸から使うこともできるが、箱メガネや水中眼鏡と
いっしょにつかうと、面白さが百倍になるよ。

エビタモ
 500〜1000円くらい
高知県のものはエビ専用で、アミは黒くて硬いが、東海地方のエビタモは透明で柔らかいので、魚とりに適している。
箱メガネ(木・ガラス製)
 1500〜3000円くらい
タコメガネ(プラスチック・アクリル製)
 1000〜1500円くらい
釣具店に夏季限定で売っていることが多い。

  川底をのぞいているだけでも十分楽しいよ。石の上にヨシノボリが乗っていたり、石のすき間からウナギが顔を出していたりすることも。
   ほら、こんなふうに水中がテレビ画面のように見えるんだ。この状態なら、デジカメで水中写真を撮ることも可能だよ。

箱メガネの見づり
とれるもの
ヨシノボリ、チチブ、ギギ、アカザ、アブラハヤなど

川底に魚を見つけたら、左下のような道具で釣ってみよう。魚がどうやってエサに飛びつくか、手に取るようにわかるよ。浮き釣りとはちがう直接対決。大こうふんまちがいなしだ。でも、夢中になりすぎると腰が痛くなって動けなくなるから、ときどき、背伸びをすることをわすれないでね。
 竿は河原の木の枝か、竹の枝でOK。竿先に小さな針〔袖針3〜4号)を結びつけるだけで完成だ。ハリス(糸)は、3〜5センチでいいよ。エサは、石の裏についている川虫が一番だ。ミミズを小さく切ったものでも釣れるよ。
ほら釣れた!
ヨシノボリのほかに、ギギ、アカザ、カマツカなんかもつれるよ。




ワナをしかけてみよう

ワナの良いところは、
  1、近寄ると逃げてしまう魚がとれる。
  2、よそ事をしていても魚がとれる。
  3、夜活動する〔夜行性〕の魚がとれる。などなど。
でもね、魚の習性を知らないと、ワナで魚はとれないよ。
何を食べるの? どこを泳ぐの? 何を考えているの?
 しっかりと推理して、ワナを仕掛けてくれ。

ビンドウ
とれるもの
オイカワ、カワムツ、タナゴ、モロコの仲間など

写真予定
ビンドウは釣具店で売っている。長いヒモをつけて使おう。
薄いプラスチック製  500円くらい
厚くて丈夫、オモリつき   1200円くらい
写真予定
これは、昭和30年代のガラス製のビンドウ。美しい形をしているけれど、川底の石に当たると、すぐ割れてしまうんだ。
それが原因で、現在、ガラスは使用禁止だよ。


入り口は、川下にむけるんだよ。 池なら深い方へむけること。

こんな仕組みで魚がビンに入る。エサは釣具屋さんに売っている「寄せエサ」か「練りエサ」。しっかり練ってねばりを出すと、エサの持ちがよくなるよ。
魚は壁にそって泳ぐ習性があるので、なかなか出口を見つけられず、つかまってしまうんだ。ま、中にはウンよく外へ出てしまうやつもいるけどねっ。

エサの匂いに釣られて、オイカワがビンに入ろうとしている。魚は川上をむいているから、ビンの口は必ず川下に向けることが大切だ。
ほら、とれた! 釣具屋さんで買ったネリエサにつられてビンに入ったのは、オイカワとカワムツだ。


すてばり
とれるもの
ナマズ、ウナギ、コイ、ニゴイ、ウグイ、スッポンなど


太い糸と大きな針で仕掛けを作ったら、すてばりをやってみよう。エサはつかまえた小魚でいい。大きな魚はブツ切りにしてエサにする。夕方しかけて、朝早く上げに行くのが基本だよ。大物が掛かるので、糸はしっかりと木の枝や草の根にしばっておこうね。

糸はタコ糸などのじょうぶなもの。ハリスはナイロンの4号以上。大物のいる場所では、8号以上を使う。針は親指のツメくらいの大きさの丈夫なものをえらぼう。
石に太い輪ゴムを止めてオモリにすれば、石穴や根にもぐられたとき、ゴムがはずれるので、強引に引っぱって回収できるよ。
すてばりにかかったスッポン。みんなが知らないだけで、矢作川とその支流には意外にたくさんスッポンがすんでいる。
スッポンは砂地の川を好むので、矢作川が大好きなんだな。



カニカゴ
とれるもの
モクズガニ、テナガエビ、アメリカザリガニ、ナマズなど

袋の中にエサ(魚のあら)を入れておくと、匂いにつられて、ここから入る。
入り口は2方向にあるが、一方を下流に向けるのがコツ。
カニカゴは、釣具店に売っている。形は色々あるが、普及品はこの形。
 800〜1200円くらい
一晩つけておくだけで、たくさんのカニが入る。季節は7〜11月。石の多い場所、砂地でも近くにテトラや、石組みのある場所がねらい目だ。もちろん、食べるためにとる。
つかまえたカニは、脱走しないように深いバケツに入れる。水は要らないが夏は日差しが強いので、クーラーBOXに入れるといいね。


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